オフィス犬が成立するための条件を考える
こんにちは、officedogです。
先日、オフィス犬・オフィス猫を導入している国内の大企業を紹介いたしました。
これらの企業が導入できた背景には、
- ペットに対する経営者の思入れ
- 本社がある地域の文化、考え方
- 環境整備
- 企業ブランディング
といった要素があると思われます。上記のうち、一つも無い場合は、オフィスペットは話題にもあがらないでしょう。解決すべき問題たちのなかで、あと回しになり風化するのみです。
多くの記事において、オフィス犬は、そのメリットから紹介されることが多いですが、社員が前向きに働くためのウェルビーイングを目指す手段である点が、最も大事です。
- 作者: ラファエル A.カルヴォ& ドリアン・ピーターズ,渡邊淳司,ドミニク・チェン,木村千里,北川智利,河邉隆寛,横坂拓巳,藤野正寛,村田藍子
- 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
- 発売日: 2017/01/24
- メディア: 単行本
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下記は、マースジャパンリミテッドでの効果です。
- 癒やしやストレスの軽減、生産性の向上
- 社員とペットの生活を尊重できる
- もっとも大きな効果はコミュニケーションの活性化
一方で、リスクも包み込める「環境整備」とは、具体的にどういったものか、考えてみたいと思います。
- ペット嫌い(社内)
社内で100%賛成される取り組みなどありません。ルールを作って、好き/嫌い/無関心層が歩み寄れるようにすることが前提となるでしょう。導線や空間に関するルールのほか、トラブル時の責任の所在など、定めておくことが重要だと思います。
- ペット嫌い(社外)
こちらもやはり導線や空間のルールを設けるほか、取引先に企業努力である旨を理解してもらう努力が必要になるでしょう。ペット嫌いの人とは取引しなくなる、といった排他的な関係性に陥らせないためのホスピタリティは、会社へのロイヤリティと相関しそうです。
- 動物アレルギー(社内外)
動物好きだけどアレルギー持ちという方もいらっしゃいますが、彼ら彼女らはオフィスペットの推進力になってくれるはずです。導線および空間で仕切りを設けるのは絶対ですが、ペットを清潔に保っておくといった細則も設けるべきでしょう。
- 通勤の苦痛
日本の満員電車に子供を連れて行くのか?という話題もありましたね。勤務時間をフレキシブルにするのは当然ですが、車で通勤するハードルを下げるべきでしょう。他にも、会社から徒歩圏内に住居を構えるための福利厚生なども考えられますね。
- ペットのトイレ
こちらも、場所の設置やルールの徹底、飼い主のトレーニングは必須でしょう。ただし、生き物ですから、多少のトラブルは大目にみる、といった雰囲気づくりが必要です。
- マナー違反、トレーニング不足
日本では飼い主のトレーニングは義務化されていないため、自分たちでOKだと思う水準がバラバラです。一方、義務がある海外でも、例えばアマゾン(US)では、会社で一定のトレーニングをパスしない場合、オフィスに犬を連れてくることは禁止されています。
- 健康面のリスク
動物病院を設置することは難しいでしょうが、相談できる一時窓口や、勤務中でも運び出せるルール作りは必要でしょう。個人的には、社内にトリミングサロンがあると非常にありがたい思います。衛生面のケアを、勤務時間中にできるからです。
- 不動産
これについては、前例が少なすぎて王道ルートなど存在しないでしょう。別エントリにて、ペットが入れる不動産探しについて記述しましたので、ご確認ください。
- 偉い人の後押し
大企業において、役員クラス主導で推進し、横串を通す力が無いと社内政治でもみ消されるのがオチです。役員本人も、自分の評価がマイナスになるようなことはしたがらないでしょうから、本人にも強い意思が必要でしょう。前職では、役員が手のひら返ししてしまい、部下たちのヤル気が削がれてしまったことがありました。偉い人の後押しは、何を進めるにおいても一緒ですから、大企業でルールを変えるということが難しい要因の一つでもありますね。
上記以外の要素もあると思います。また一方で、初めから準備万端などありえないので、進めながらルールを改善していく、そんな運用が約束されていることが必要でしょう。