オフィス犬 研究会

「職場(オフィス)に犬がいること」や「育児」に関する情報を集めています。

男性の育休+不妊治療

こんにちは、officedogです。

このところすっかり更新していませんが、明日から本気出します。笑

11月に締切だった愛玩動物飼養管理士の事前課題にギリギリで提出したところです。内容については別エントリで書こうかな。

 

さて、本ブログのメインの趣旨からは離れるのですが、個人的に備忘メモとして残したいお話があるので、不妊治療を経て、男性が育休をとった実体験」に基づき、アフィリ系ブログでは出てこないんじゃないか、というお話も含めて書いておきたいと思います。主に、男性向けに書いているつもりですが、少し冗長になっている点はご容赦ください。また、個人の主張も含んでいるので、読んでいただいたうえで建設的なご指摘はウェルカムです。

 

 

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  1. そもそも男性の育休とは?日本は育児も後進国らしい

  2. 意外な壁、それは両親

  3. 育休を取るまで

  4. 保育園へ預けることについて
  5. 出産からの日々、周りの見る目

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よくある体系的な情報ではなく、思い入れのあるポイントだけ紹介します。

また、ところどころにペット(犬)の話を織り交ぜることとします笑。

 

 

   1. そもそも男性の育休とは?

 

当たり前ですが、父親が、育児やそのサポートをするために今の仕事を休業(≠休暇)することです。 たまに「産休おつかれ!」といったコメントも頂きますが、私が産んだわけでは無いので、嫌味ったらしく訂正して差し上げています笑。

 

育休を取る人や取れない方々には様々なご事情があるかと思いますが、私個人にとって育休とは「子供を社会から預かって子育てという仕事をする、すなわち転職(または異動)をすることであり、必要があれば取って当たり前(前職で取れないとわかっていたので転職した)だと思います。

 

育児休業給付金がもらえる期間という意味では、現在は公務員は2~3年、会社員は1~3年、個人事業主は無し(国会議員等も含む)というルールのようで、雇用保険に入っている方であれば誰でも取得できますが、後述するように会社に労働組合がある場合、社内規則や現在の勤続年数にご注意ください。労働組合と会社の合意条件によっては勤続1年未満の場合は正社員でも会社が取得を断ることができるからです(幸い、私の職場は勤務9ヶ月でも容認してくれましたが、規則には「会社が断れる」という趣旨の記載がありました)。

 

gendai.ismedia.jp

 

少し前から報道やSNS等では「男性の家事参加を」とか「男性の育休義務化」「育休男性へのパタハラ」が騒がれていますが、もう少し本質的な部分について言及するならば、ペット同様に「日本は育児に関する知見のシェアが不十分」ではないかと思っています。これに起因して、社会的価値の概念において会社での仕事が必要以上に評価され、子育てが過小評価されている、んじゃないかと考えます。これは既婚未婚、子あり子なしに関係なく、ですね。

 

そして、それを認識するためには海外における育児とその環境が生む現象の過程を知る機会を持つことや、日本が直面している人口構成や経済的な課題のメカニズムに(少なくとも)関心を持つことが前提だと考えています(このあたりは引用文献があるので、後日ご紹介します)。どうしても個人の主義主張がSNS等を介して強いメッセージとして受け取られる場合もあるので、発信する方も表現等に注意する必要があると思っています。

 

日本では男性の育休取得率は2018年度で約6%というお話がありますが、これは政府のKPIであり、個人的には関心がありません。取れるのであれば、あなた自身が取るかどうかが全てだと思います。また、期間や時期、取り方のノウハウもあるようですが、調べれば調べるほど疲れると思いますので、特に制約がなければ長ければ長いほどよいので出産日からまる1年(または2年)取るつもりでいればよいと思います。6%はあくまで数字なので、上司の説得材料としてのベンチマークに用いるのは効果的ではないかもしれません。

 

www.mhlw.go.jp

 

あくまでも仮説ですが、ペットのお世話を奥様や在宅者に丸投げしている方が育児に対しても似たような傾向を示すのだとすると、もしかするとペットの社会的地位向上のためのヒントもそのあたりにあるかもしれませんね。このあたりの分析と考察はしてみたい。

 

 

  2. 意外な壁、それは両親

 

世代間の相互理解が難しい点は何も会社の上司だけではなく、家族にもあるということです。特に子育てにおいては「経験者としてご意見を頂きたい」スタンスと「経験者としてもの申したい」スタンスが気色悪いくらいマッチングすることがあります。私の母親は専業主婦だったため、当初は強い抵抗を示していました。なぜ家族の理解が重要なのか?

 

「育休 老害」の画像検索結果

 

親に反対されるからどうこう、という話ではないのですが、男性の育休はとにかく孤独な戦いであるため、実の両親にすら理解が得られないと本当に味方がいない、ということです。これは不妊治療やペットにおいても同様だと思います。当事者以外、本当に何も知らないものなんです。

 

一旦下した結論に対してサポートもしない親は少ないかと思いますが、そもそも男性の育休は取るまでの精神的なハードルが異常に高いです。所得が減ったりキャリア不安もありますし(共働きのバランスによってはそこは問題にならないかも)、何より前例が一般的でないからです。優しい友人たちは他人ですから、応援はしてもサポートはしてくれません。ですから、親の価値観が旧世代でも、後々のサポートを考えると育休の必要性を伝える意味はあると思います(そもそも家族のサポートを前提とした育児も日本の特徴かもしれません)。

 

私の場合、上記の目的のために、出産前後はペットを両親に預けたり、子育ての様子を逐一アプリで報告する、自分の両親が子供と接する機会を作るなど、地道な(姑息なものも含む)手段を使ってようやく理解を得られ始めたのではと手応えを感じていますが、それでも「仕事はどうするんだ?稼がないと食わせられないぞ」といったコメントを頂くこともあります。無視すれば楽ですが、性格にもよると思うので、行動や情報発信で安心させてあげるほかないと思います。

 

 

 

  3. 育休を取るまでにやったこと、別にやらなくていいこと

 

私たち夫婦は不妊治療(※高齢出産ではない、20代でも場合によっては必要だから男女ともに検査は推奨されていますのすえ子供を授かりましたが、(あくまで確率的なラインとして)妻が35才になるまでに出産できたら私が育休を取ることを決めていたので、ローンの組みやすい(実は要らぬ心配だった)うちに住居の購入をし、育休が取れる(可能性が高い)外資企業への転職を済ませていました。

 

決してスムーズにはいきませんでしたが、子供を持とうとしてから4年間の間に、実際に行ったことを記したいと思います。

newspicks.com

 

○まずは、転職活動。各社の履歴書を通して夫婦で不妊治療中をしていることを伝えました。とにかく、不妊治療は男女ともに「病院による無理なスケジュール」に振り回されます。例えば、「明日、午前中に病院来てください」と仕事上がりに言われたりします(そして行くと午後まで待たされる!など)。理解ある職場でなければ、そんなことは不可能ですし、そもそも心情的には詳細を言いたくありません。部署移動を待つのは悪手でしょう。理由を言わないとflexも取らせてもらえないような職場や上司のもとでは、出産のチャンスすら与えてもらえないでしょう。さっさと転職します。

 

○次に、「子育て経験のある方がチームにいるか、いる場合は面接したい」ことを採用担当に伝えました。悪くいうと、採用の方は都合のいいようにしか言わないので、リアルな意見を聞いた方が、職場の雰囲気や制度を知るには有効だと考えたためです。いくつかの部署と面談しましたが、幸い希望先に実際に子育てしながらflexや在宅をフル活用している方がいる方が複数いたので、決め手となりました。

 

▲内定以降は、当たり前だけど、仕事そして引き継ぎは精一杯やる。まさか転職直後に妊娠できるとは思ってなかったのですが、それはそれと割り切って受け止めて喜び、仕事に取り組みました。そして、責任を感じて「引き継ぎ」を頑張りすぎるのはよくないとも思いました。どんな仕事もある程度までは引き継ぎが必要ですが、どれだけきちんと引き継いだとしても新たな問題は発生します。その際に、自分の責任だからやらなきゃ、と考えないことが大事で、割り切って相手を信頼する努力が必要です。これが意外と難しいのですが、できれば育休に入ってからはメール等を見ることができないようにしたほうがベターです。正直言って、育児や家族のサポート中に仕事をすると、正常な判断ができなくなるリスクがあります。上司にも言われましたが「割り切りを仕組み化」することが大事でした。

 

○上司や同僚、ステークホルダー、そして会社の人事とは密にお話しすることはとても重要です。 私の場合、上司や同僚の理解に恵まれましたが、会社の人事は正直言って知識不足(ごめんなさい)でした。育休の制度や手続き、そして子供やその親の置かれる環境について全く理解していなかったのです。大企業の場合は、人事が社労士へ業務を丸投げしてることも多いので、なかなか情報の核心にたどり着くのが大変でした。自分で制度について調べて、誰かに説明できる状態になっておいた方が無難と思われます。詳細は伏せますが、こちらから社内規定や厚労省ガイドラインを説明するハメになるとは、みじんも思いませんでした。また、先方の不手際により、育児休業給付金の給付も開始から4ヶ月以上という事態にもなりました。。。

 

▲巷で言われる「不妊治療のステージを段階的にあげていく治療法」は全く無意味(お金と時間の無駄)です。セックスレスでないのであれば、検査のうえ必要なステージに早急にスキップしましょう。残念ながら、不妊治療は日本で保険適用外で、補助金助成についても東京都の場合、夫婦合算905万(2019.4.現在)の所得がある場合は補助なしです。いつか子供できるかな、くらいに思っている30代以上の方は、控えめに申し上げて知識不足だと思いますので、夫婦ともに検査は早めに受けましょう。私たちは治療に総額120万くらいかかりましたが、人によるので参考程度に考えてください(補助はないが、医療費控除の対象にはなる)。この仕組みについては言いたいこといっぱいあるけど、また今度。

 

style.nikkei.com

 

 

▲FPや税理士への相談はあまり役に立ちませんでした(彼らも育休の仕組みをことこまかに理解しているわけではない)。都内の大手数社に相談しましたが、よほどよいFPさんにあたらない限り、時間の無駄なのではないかな。。自分で育休取得前後のキャッシュフローや生活水準、税制等について、よく調べて夫婦で調べて話しあうことが大切です。例えば最近の制度変更では、女性は産前産後休業中は「国民年金の納付が免除(払われたものとする)」されます。正確には支払ってから還付されますが、役所でも説明されないのでご自身で出生課等に聞いてみてください。もちろん、その期間は払っていないので、年末調整等ではその分はカウントされません。

 

▲子育てや家事、料理などの予習は不要でと思います。やっていくうちにこなれていきます。所詮、自分は初心者であるという謙虚な気持ちだけ忘れないようにすべきです(過去のノウハウを応用するなどほぼ不可能)。入社1年目の気分です。

 

 ▲ペットを飼うのが産前か産後か、と悩むことに本質的にはあまり意味はない、と思いました。必要なときに、然るべき機会でペットを迎えればいいと思いますし、それがたまたま産前か産後か、の違いです。

 

○貯金や投資も含めて、それなりの資産形成またはお金のリテラシーはある程度、必要だと思います。 育休中は所得の減少や無給期間を伴うので、月々のCF(キャッシュフロー)を把握するところがスタートになると思うます。ちなみに、育児休業給付金の額としては、半年間は6掛け、以降は半額と言われてますが、そもそも給付額には約30万/月という上限があるので、仕事をしているときに手取りが45万/月以上ある(2019.4時点)方は、想定より低い金額しか受け取れません。

 

 

  4. 保育園に預けることについて

 

個人の意見を申し上げれば、保育園は「本当に必要な人」が使う機能であり、代替手段があるのであれば、育休を取ればいいと思っています。判断基準は人それぞれですが、保育制度が不十分のため枠が限定的で、しわ寄せが存在することも事実です。

 

一方で、保育士の待遇と保育無償化に係る政策の動きは、よく調べておくにこしたことはありません。

保育無償化は、一部の人しか適用されませんので、注意しましょう。

 

financial-field.com

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  5. 出産からの日々、周りの見る目

 

産前は、意外と元気、またはつわりで大変、など人や時期によって様々です。男性は、状況に応じて必要なサポートをしましょう。人によって症状も様々なので、ネットに流されず奥様のお話や様子を注意深く受け止めることが重要だと思います。

 

私の妻の場合、巷でよく聞く「お米の炊く匂い」は全く問題ありませんでしたが、大好物の和食(醤油や味噌)が全くダメでした。その代わり、マフィンやパスタなど、健康に悪いものばかり食べてました。。。トライ&エラーしかない、と思います。

 

・児童館

土日以外にいくと、夫婦で行っても浮きます。とにかく、母親たちの目線が痛い痛い。 授乳室(入れることは入れる)も緊張するので、開放部でおむつ替えやミルクはあげます。だた、子供のためを考えれば、高いおもちゃが無料で使えたり、他の赤ちゃんとの交流は必要だと思ったので、滅私の心で毎回を臨んでいました。

 

・近所

都内では、たまに夫婦でベビーカーを押して散歩している方々とすれ違うことはありますが、お互いにあまり挨拶することはないですね。あと、スーパーやショッピングについては、授乳室があるかどうかで行動がかなり制約されると思いました。逆に、授乳室などがあるところはヘビーユーズです。このご時世、商業施設で授乳室やバリアフリーがないところは死んでいくのでは。。。エルゴでもベビーカーでもいいですが、近所を10~20分の散歩をすることは大事です。会社に毎日行っていた男性は、運動不足・ストレスを特に感じやすいですし、奥様の産後の肥立ちのリハビリに付きそう意味合いもあります。ご高齢の方にはよく話しかけていただきます。ご自身にも孫がいたり、妻の大変さに共感されたりするようです。が、たまに変な人(突然、赤ちゃんに触れてくる、など)もいますのでご注意を。あと、駅のエレベーター問題。夫婦+ベビーカー で乗る際にスペース取るので、他にベビーカーが並んだらすると私だけ階段で追いかけたりするんですが、私が降りたあとにすぐ乗り込むオジサンオバサン方の神経がちょっと理解できない(笑)。

 

・副業や留学?そんな余裕はないと思う

正直、強い意思が必要というよりは、目的を履き違えてるのでは?と思います。ただし、育児や家事の合間にやるという「時間の使い方」のよい実践機会になると思います。 これまでは自分で全てコントロールできたわけですが、子供が中心になるので、自分の時間を取るトレーニングとしては絶好の機会です。私は深夜や母子が昼寝している時間などにやることを詰め込んだり、周りにもある程度予定を合わせてもらったりしています(人にお願いすることが苦手なタチでしたが、お願いする側の立場が理解できると、やらなきゃと思いますね)。また、ママさん向けのMBAコンテンツなど、キャリアを止めないための合間時間系の商材はよく見かけるようになりましたが、まだパパ育休はスコープに入っていないケースが多そうですね。

 

 

ダメだ、書き足らない(というか整理できていない)。。。